PMBOK(Project Management Body of Knowledge)を噛み砕いて説明する
プロジェクトマネジメントの勉強や、情報処理推進機構のプロジェクトマネージャ試験を受ける人なら、必ず見聞きするPMBOKについてです。
PMBOKとは「ピンボック」とも呼ばれ、Project Management Body of Knowldgeの頭文字からできています。直訳するとプロジェクト管理の知識集といったところでしょうか。つまり、プロジェクト管理の手法やノウハウをまとめてくれています。
サービスマネジメントやオペレーション、運用業務をやっている人ならITIL(Information Technology Infrastructure Library)というものを知っていると思いますが、立ち位置的になんだか近い存在のような気がします。
PMBOKは10の知識エリア、5のプロセス、3のパートからなります。
知識エリア、プロセス、パートの関係
詳細に触れる前にざっくりと知識エリアとプロセス、パートの関係について説明します。
簡単に図にすると下のようになります。
知識エリアは全て○○管理と呼ばれます。各管理過程には5つのプロセスがあり、基本的にはそのプロセスを順番に実施していきます。各プロセスでは、何をベースにどんなツールを使って何を出力するかを定義しており、これが3つのパートとなります。
10の知識エリア
10の知識エリアには下記があります。
- 統合管理(Integration Management)
- スコープ管理(Scope Management)
- スケジュール管理(Time Management)
- コスト管理(Cost Management)
- 品質管理(Quality Management)
- 組織管理(Human Resource Management)
- コミュニケーション管理(Communication Management)
- リスク管理(Risk Management)
- 調達管理(Procurement Management)
- ステークホルダ管理(Stakeholders Management)
基本的には読んで字のごとくですが、詳細については各説明ページでご覧ください。
5のプロセス
5のプロセス
- 立ち上げ(Initiating)
- 計画(Planning)
- 実行(Executing)
- 監視・管理(Controlling)
- 終結(Closing)
これもまた読んで字のごとくですが、計画、実行、監視・管理の箇所は個人的にPDCAのPDCに似ている気がしますね。計画をして実行をし、効果があったのか確認をするのはプロジェクトマネージャのみならず、作業員・担当者においても基本的なことだと思います。
5つのプロセスについても詳細は各説明ページをご覧ください。
3のパート
3のパートは下記があります。
- インプット(Inputs)
- ツールと実践技法(Tools and Techniques)
- アウトプット(Outputs)
知識エリアやプロセスと比べると非常にシンプルです。インプットは各プロセスにおいて前提となる文書等のことです。例えば、開発というプロセスには設計書が必要ですが、この設計書がインプットになるイメージです。
ツールと実践技法ですが、対象のプロセスを実行するにあたって、使用するツールや技法(テクニック)を定義します。性能試験にはA社のソフトウェアMを使用しましょう、といった感じでしょうか。
そしてアウトプットですが、これは次プロセスに置いて前提となるような文書等のことです。あるいは各プロセスの成果物ととらえることもできます。計画が終われば計画書、設計が終われば設計書ができますが、これらのような文書がアウトプットです。
PMBOKの習得は難しいのか
簡単か難しいかというのは個人の経験やスキルによるのでなんとも言えませんが、覚えることが多いのは確かでしょう。10の知識エリア、5のプロセス、3のパートがあるので単純に計算しても150の領域が存在します(10x5x3)。
さらに突き詰めていくと同じプロセスでも様々な技法が存在しています。PMBOK、プロジェクトマネジメントの知識範囲は広く深くなっているのは事実です。
しかし、それを全て覚える必要はあるのでしょうか。PMBOKは体系だってまとめられているので、1つ1つ理解していけば自然と知識がついていきます。その中で各技法(見積もり方法、計画方法などのフレームワーク等)を目的に応じて(実務で活かす、試験を受ける)しっかりと理解して覚えていけば良いのだと思います。
一緒に頑張りましょう!!