Pingが通ったり通らなかったりする原因
ネットワークの切り分けはシンプルなようで奥が深いですね。今回はPingが通ったり通らなかったりする原因を経験を踏まえて紹介します。
IPアドレスが重複している
こんな初歩的なミス!!と思うかも知れませんが意外と多い印象です。小さなミスほど気が付きにくいのです。
IPアドレスの重複は、Ping発信機器、中継機器、Ping受信機器など、すべてあり得ます。
Pingを送って応答があるが違う機器で受信されている、Pingを送る度に違うファイアウォール(以下、FW)に到達してルーティングができない、Pingを受けてしまう複数の機器のうちPingを返さないものがあるなどが考えられます。
実際に私はこの2つ目を経験しました。サーバAからサーバBにPingをうつと、FW1を通るはずなのに、実は構成図には存在しないFW2があり、そのFW2がFW1と同じIPアドレスを持っていました。
FW1はルーティング情報を持っているが、FW2は持っていなかったため、Pingが通ったり通らなかったりです。
ちなみにこの時は、FWが怪しかったので、Pingが通る時と通らない時にブラウザでHTTPSアクセスして出た画面で発覚しました。
ポート設定(100Mbps/Full Duplexなど)が適切ではない
IP重複と同じくらいのレベルで発生すると個人的に思います。
特にシステムの構築などで物理的に機器が増えた場合に起こります。ネットワークスイッチにはスピードや二重化方式を自動で合わせてくれる「auto」という設定が可能です。
しかし時々これが悪さをします。万能ではないようで、手動で「100Mbps」や「Full」と設定する方が確実に安定します。
私はトラブルシューティングをして「設定上問題ないはずなのに…」と思っていた時に、ふと「まさか!」と思って設定値を変更してみたら安定しました。
Ping受け機器が不安定
もう機器が壊れかけているような時ですね。Pingは到達しているが、返す機器がうまく返せていないという状況です。どのように故障しかかっているかによって対応は変わると思います。
または、負荷が掛かりすぎておりPingに応答できなケースも考えられますね。ここまでくると、サービスに影響が出ていてもおかしくないかも知れません。
ケーブルが物理的に破損してる
かなり稀なケースですが、あり得る話でもあります。物理ケーブルが壊れかかっているけど、完全に壊れてはいない時です。
この場合はデータ転送がちゃんとできていないということですので、サービスに影響が出ているでしょう。違うケーブルと差し替えることで切り分けができます。
ケーブルの電磁波
ケーブル破損の通信品質低下と似ていますが、ケーブルを多量に束ねると電磁波が生じて通信品質が落ちるという話も聞いたことがあります。
このケースでは、ケーブルが破損していなくても、通信品質低下によるPingの到達不可も考えられます。
中継のルーティングが不十分
Pingを送る機器から受信すべき機器の間のルータ等のルーティングが不十分な可能性も考えられます。
通常、複数台のルータを使用する場合HSRP等のデフォルトゲートウェイ冗長化の仕組みを使い、基本的には冗長構成にあるルータは同じルーティングテーブルを持ちます。しかしながら、なんらかの理由により一部のルータが異なるルーティングテーブルを持っており、そのルータが経由されようとした際に、Pingが目的の機器に到達しない、という事象が発生します。