リスクへの対応の方法(移転、共有、回避、保有、低減、最適化)
リスクとはビジネスにおいてマイナスの影響を与え得るものも、プラスの影響を与え得るものも含まれます。
投資用語でリスクと言うと、想定通りにいかないことであり、5%の利益を見込んでいる時に7%になることもリスクとなります。普段生活しているとプラスのリスクは嬉しがってしまうだけで終わってしまいますけどね。
マイナス影響とプラス影響のリスクの中でも今回はマイナス影響を与え得るリスクへの対応についてお話します。
リスク対応の概要
マイナス影響を与える可能性のあるリスクの対応策としては4通りあります。移転(共有)、回避、保有、低減(最適化)です。
企業や機関などによって、リスク移転をリスク共有と言ったり、リスク低減をリスク最適化と言ったりしますが、対応方法については変わりありません。
リスク移転(共有)
読んで字のごとく、リスクを移転します。発生する確率は低いが発生すると影響が大きい場合にとる手段です。
例えば、ビジネスに重大な影響を与えるような地震などの自然災害は頻繁に起こるものではありません。そこで、万が一そのようなことがあった場合のダメージを移転してしまうという対応です。具体的には地震に備えて保険に入ることが挙げられます。
他にも個人情報を大量に保有して管理しているが、不正アクセス等で情報流出が発生した場合に莫大な影響を被る可能性があるため、個人情報の管理を他社へ委託する、というのもあり得ます。
リスク回避
発生し得るリスクを、その原因を排除して、そのリスクを発生させないようにします。
例えば、個人情報を取得していた企業が、情報流出というリスクに対して、個人情報をそもそも保持しないことにすることが当てはまります。個人情報を保持してなければ流出しようがありません。
簡単に「じゃあ、やめよう!」となれば良いのですが、そうはいかないことが多いでしょう。ビジネスの目的や仕組みと照らし合わせて、実現可能か慎重に議論する必要があります。
リスク保有
発生する可能性があるリスクの発生確率も低く、ビジネスへの影響が比較的小さい時にとられる手段です。
例えば、店頭に商品を並べているお店がありますが、通行人に盗まれてしまうかも知れません。ただし、盗まれる頻度も低く、盗まれたとしても売り上げの1%にも満たないので、特に対策はしない。こんなケースが当てはまります。
他にも、移動中にパソコンが壊れるというリスクがあるが、少額物品管理であり、データも入っていないため、特に何の対策をしないということもあるでしょう。
リスク低減(最適化)
最後にリスク低減についてです。大きく防止と軽減に分かれます。
リスクの防止について分かりやすいのが、セキュリティソフトでしょう。パソコンにウイルス対策ソフトを入れることで、ウイルスに感染するリスクを防止することができます。
次に軽減についてですが、サーバルームに許可のない者が侵入するというリスク、分かりやすく言うと自宅に空き巣が入るというリスクがあった際に、入出管理を強化したり、ドアのカギを増やしたりすることで、リスク発生の確率を減らすことができます。
最後に
いかがでしたでしょうか。ビジネスだけでなく、個人レベルでも同じような行動をとっているのではないでしょうか。
私は10万円超えのスマートフォンを買いましたが、壊れて使えなくなるというリスクを、保証サービスを契約するというリスク移転をせず、きっと壊れないと信じてリスク保有を選択しました。リスク移転をすることは私にとって影響、つまりコストが高かったのです。