ELBの特徴やユースケースをまとめる。Elastic Load Balancer AWS

今回はAWSのシステム構築(インフラ)のカギとなってくるELB(Elastic Load Balancer)について特徴やユースケースをまとめていこうと思います。

概要・特徴等

  • マネージド型の負荷分散サービスであり、受信トラフィックを配下の複数のEC2に分散する。
  • 負荷に応じて自動的に拡張する。
  • 複数のAZに跨って負荷分散ができる。
  • AZ-AとAZ-Bに跨るELBを作成しようとすると、共通で使われるDNSが作成される。ELBの実体はAZ-AとAZ-Bにそれぞれ存在し、ELBを経由するアクセスについては、DNSで名前解決されたELBのIPアドレスによって振り分けられる。

ヘルスチェック

  • EC2インスタンスの正常性確認(ヘルスチェック)ができる。これは負荷分散装置(ロードバランサー)としては当然の機能である。死んでいるサーバにトラフィックを送るわけにはいかない。

SSLオフロード

  • クライアントとAWS上のシステムの間でSSLが利用される場合に、SSLの証明書をEC2インスタンスの代わりにELBに配置することができる。これをSSLのオフロードと呼ぶ。これはプロキシサーバに似ている気がする。ロードバランサもある意味プロキシサーバなので、同様のことが可能と理解した。

Connection Draining

  • ELB配下のEC2が削除や登録解除された場合に、新規のリクエストについてはそのEC2へ送信をしないようにし、一方でEC2で処理中のトラフィックについては、その処理の完了を待つ機能がある。これをConnection Drainingと呼ぶ。

スティッキーセッション

  • システムにアクセスしているクライアントを特定のEC2インスタンスに紐づける機能があり、これをスティッキーセッションと呼ぶ。
  • このスティッキーセッションは、例えばとあるクライアントがEC2-Aでログイン(認証)を済ませている場合に、ELBにEC2-Bに割り振られると、そのログイン情報が消えてしまう(ログアウト状態になる)。このような事象を防ぐことができる機能で、ELBがセッション情報を管理することにより、その特定のクライアントについては常に同じEC2へアクセスさせることができる。
  • このスティッキーセッションという機能は、呼び名はともあれ、L7ロードバランサには良くある機能である。
  • 注意点として、スティッキーセッションは、特定のユーザを特定のEC2と紐づけてしまうため、例えばAuto Scalingで追加されたEC2へトラフィックが分散されなくなる等の可能性がある。つまり、7つのベストプラクティスである「伸縮自在性を実装」するためには、このようにEC2に特定の状態を持たせない状態(ステートレスな状態)とすることが必要である。
  • 上記のケースであれば、セッション情報をElastiCacheやDynamoDBを利用する等して、ELBにセッション情報を持たせないようにすれば、回避できる。

ユースケース

ELBのユースケースはその名の通りロードバランスです。インスタンスを複数配置して冗長性を保つ場合に有効です。同じリージョン内の複数のAZをまたいでロードバランスできます。仮にひとつのAZが使用不可になっても、地理的に異なった別のAZでサービス継続することができます。

めっさん
  • めっさん
  • 当サイトの管理人。ニューヨークの大学を飛び級で卒業。その後日系企業でグローバル案件に携わる。大小様々な企業を転々としながら、マレーシアやアメリカへの赴任経験を持つ。バイリンガルITエンジニアとしていかに楽に稼ぐか日々考えている。年齢は秘密だけど定年も間近かな。

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