IT業界エンジニアと営業の溝はなぜできるか
IT業界で長く勤めていますが、(他の業界も一部同じかも知れませんが)営業とエンジニアで溝が生まれることが多々あると感じています。
なぜ溝が生まれるのでしょうか。私はエンジニアなのでエンジニア目線です。
客から無茶な要件を受け入れる
これはIT業界でなくてもあると思いますが、営業がお客さんからの無茶な要望を受け入れてきてしまう(受注してしまう)時です。
例えば超短納期の案件を受注したり、ものすごく大変な仕事を安価もしくは短納期で受注したり、最低の場合は技術的に不可能なことを受け入れてしまうケースです。
技術的に不可能なケースはもう不可能なのでやらなくて良い、と言うか、できないのですが、それに巻き込まれるのは相当厄介です。
技術的にできない理由を営業ないしは顧客に説明を求められたりという手間はもちろんですが、そもそもなんで受注前に相談してくれなかったんだと思って溝が深まります。事前に相談してくれればそんな案件受注なんてあり得なかったのですから。
エンジニアの仕事を軽視する
これは営業の人も軽視する気がなく無意識にしてしまいがちなので注意です。
例えば、エンジニアからとある作業に100万円かかると言ったとします。それを顧客からの値下げ要求もあり、営業から「それは20万円でできないか」などと言ったりします。これだけならまだOKですが、「この作業にそんなにかかるのか」と言ったニュアンスが含まれるとNGです。
エンジニアとしてはどんなに頑張っても100時間かかる仕事を、「いやいや20時間でやってよ」というのは相当失礼ですよね。工夫して10,20%削減ならまだしも、80%カットなんて、営業がエンジニアの仕事を何も分からずに言っているとしか思いません。
せめて礼儀をもって相談してほしいですね。「お客さんから20万円にして欲しいと言われたんですけど可能ですかね」「どれくらいなら削減できますかね」「何を削れば20万円にできますかね」等々、あくまで相談ベースで言ってくれると応えやすいですね。
〇〇円にしてください、〇〇円でやってくださいという言い方は決してしないでほしいです。
最低限の知識もない
営業が技術的なことを深く知らないのは仕方ないと思いますが、最低限の知識もないと、エンジニアとしては勘弁してくれと言う感じです。
初心者、新人なら許せますが、1年2年務めている人が全く知識がないこともあります。それって中身の分からない見積書を出して、良く分からないまま受注しているってことですよね。
そんな仕事をするなら安い人件費でバイトを雇うかシステムにやらせれば良いと思います。
年数だけ努めて超初歩的なことを知らないと「この人はやる気があるのか」「一緒に案件を進めるパートナーとして大丈夫なのか」と不安になると共に、時に溝となっていく要因となります。