新型コロナウイルス前後の社会
2020年5月25日、4月7日から発令された緊急事態宣言が解除されました。およそ1ヶ月半ぶりのことです。
よく「新型コロナウイルス前の日々に戻りたい」という声を聞きますが、緊急事態宣言が解除された後の日々は新型コロナウイルス前の日々ではないでしょう。
それは紛れもなく、新型コロナウイルス後の日々です。
何が言いたいかと言うと、新型コロナウイルスにより生活様式や働き方に(良くも悪くも)改革をもたらしました。
新型コロナウイルスの前後で変わったと思うことをいくつか挙げてみたいと思います。
働き方の変化(場所)
私は新型コロナウイルスが流行する前からテレワークには関心があり、いつか偉くなったらテレワークするぞ!と思っていました。しかし、新型コロナウイルスという思いがけないきっかけでテレワークを経験することとなりました。
そう言った背景からこのウェブサイトでは新型コロナウイルスに関する記事やテレワークについて言及した記事で、テレワークのメリットやデメリット、企業や社員の課題などを取り上げてきました。
新型コロナウイルス後の働き方は、新型コロナウイルス前の働き方と大きく変わると思っています。簡単に言うと、以前よりもテレワークする人が増えるでしょう。
テレワークをする人が増えるとどうなるのでしょうか。おそらく就業管理が難しくなり、成果の出す人と出さない人(あるいは、サボらない人とサボる人)に大きく分かれてくるのではないでしょうか。
だとすれば、時間を対価に支払うような給与体系では立ち行かなくなるでしょう。いわゆる成果主義の濃淡が濃くなるような気がします。
もちろんこれは一説であり、色々な可能性が考えられます。ただ、私が個人的に危機感を感じていることでもあります。成果を出さなければというプレッシャーと、単純に残業が減る事への収入減少、そして管理時間内に終えられない業務量が与えられる可能性への懸念です。
就職先への意識
これから大学を卒業して就職活動を始める人も、すでに社会人で転職しようとしている人も、企業を選ぶ基準が少し変わったのではないでしょうか。企業に就職せずに起業したり、家業を継ぐ人も、みんな意識は変わったのではないかと思います。
新型コロナウイルス流行により、大きなダメージを受けた企業と、影響の少ない企業、そして逆に売上が上がった企業が存在します。すべての企業とは言えませんが、新型コロナウイルスのような大きな逆境でも売上を伸ばせる企業は将来の新たな逆境にもある程度強いのではないでしょうか。
それを踏まえて、新型コロナウイルスのような大惨事が起こっても安定している企業に就職したい、安定した仕事をしたい、そう思う人が増えてもなんらおかしくありません。
もしかしたら、毎年集計される就活生の就職したい企業ランキングにノミネートされる企業は、新型コロナウイルスの前後で大きくメンツが変わっているかもしれません。
ワークライフバランス
次にワークライフバランスで、これは私が新型コロナウイルスの影響で1ヶ月と3週間のテレワークを経験して感じた事です。
テレワークをすることで毎日の通勤がなくなりました。私の場合は1日2時間です。テレワークの日は、その時間を趣味や勉強に充てることができました。ワークライブバランスで言うところのライフの質が向上したわけです。会社に通勤していては、電車で本を読むにしても、徒歩移動や乗り換えがあるので、せいぜい20-30分が限界です。テレワークなら家にいるので、すぐにやりたいことが始められます。
新型コロナウイルス後の社会では、実際にワークライフバランスが改善するかは正直微妙なところですが、少なくともワークライフバランスをより強く意識する人が増えるのではないかと思います。
私の友人の会社の経営層は「仕事には工夫が必要で大変なこともあるが、社会人になって以来、一番規則正しく、充実した生活ができている」と言っていた聞きました。電車の遅延や天気に惑わされることなく、仕事を始め、休憩をとり、仕事を終え、趣味や勉強に時間を費やし、そして家族とご飯を食べるという、当たり前のようで当たり前にできていないことを気づかされました。