IT業界の課題と中の人の考察
例にもれずIT業界にも様々な課題がありますが、顕著な3つについて、私の考察を記載していきます。
人手不足
これは業界の中にいても感じます。案件があっても人手不足故に受注できない事も多々あります。
システム開発はチームで行うので、(もちろんシステムの規模にもよりますが)1人2人調達できれば良いという訳でありません。
また、お客さんの要件によって求められるスキルセットが変わってくるので、余計に人手不足を加速させています。例えば、Cisco機器なら何年も扱ってきたエンジニアが、Juniper機器で構築するシステムにアサインできない、等です。
「いやいや、頑張ってやってくれよ、基本は同じだろう」と思うかも知れませんが、ビジネスとして受注する以上、一定の品質を保ちながらシステム開発をすると言うのはなかなか難しいものです。
労働環境
良く「IT業界はブラックだ」と言われますが、合っているような、間違っているような、という印象です。極論、企業と部署によります。
私の知人Aは某大手企業に勤めていますがブラック企業の極みと言われるような職場で働いていて常に忙しそうです。一方で私の知人Bは知人Aと同じ企業ですが違う部署で、残業は0時間、裁量労働のため1日4時間しか働いてないと言ってました。技術力があるのにもったいない…。
さらにプロジェクトにもよります。私の経験ですが、やはり大きなプロジェクトに参加するといわゆるブラック化しますが、そうでない時は裁量をもってゆったりと働いていたりします。
ただ、業界レベルで「労働環境が問題」と言われるのは、やはり、大多数の人の労働環境に問題があるのでしょう。知人AとBの紹介をしましたが、やはり業界全体を見ると労働時間が長いなと感じることが多くあります。
国際競争力
日本のIT業界における課題ですね。私は海外赴任経験があるので、複数の国で日系企業の人と会ってきましたが、ローカライズにかなり苦労しているようでした。
「日本品質を売るんだ」と言っている人が未だに多くいました。そんな事言っていいのは昔の話か、もしくは製造業だけだと思ってます。日本の製造業は世界トップクラスですが、日本のIT業は出遅れてます。
製造業なら「トップの日本の製品ならきっと良いはず」と思ってもらえますが、ITだと「遅れてる日本が品質がなんとかほざいているよ」という感じですね。
必ずしもローカライズが必要とは思いませんが、少なくとも、日本国内でやるビジネスと同じようなビジネスを他国でやろうとするのは難しいと思います。成功例があることも理解してますが、少なくとも現地の文化や価値観を踏まえて戦略を打つべきで、その辺りが日系企業の弱いところだと感じました。