企業向け無線アクセスポイント購入時の注意点

企業向け(Enterprise)の無線アクセスポイントを選ぶ際の注意点をまとめてみました。商品の選定方法と言うよりは、無線アクセスポイントを購入する際に注意すべきことです。
国の規制に則っているか
国内で購入して国内で買う場合には心配いりませんが、無線を使うため、商品ごとに各国で許可が下りている必要があります。Ciscoのアクセスポイントで例えば、C9310AXI-Bというものがありますが、この「-B」はアメリカで許可の下りているモデルです。ちなみに「-A」はカナダです。
よほどの理由があれば個別に許可を貰って使用するのでしょうが、基本的にはこれに則って調達、使用します。
給電方法
PoE(Power over Ethernet)に対応しているアクセスポイントがほとんどです。アクセスポイントによってはLANポートしかなく、PoE必須のものもあります。
PoEを使うためには、アクセスポイントがつながる先の機器がPoE対応でなければいけません。例えば、CiscoのC1300-16FPというモデルは全ポートがPoE対応しているので繋げばアクセスポイントにも電気が供給されます。
PoE対応のスイッチ等がない場合には、Power Injectorと呼ばれる機器を間に挟みます。
PoE容量
アクセスポイントの給電にPoE対応スイッチやPower Injectorを使う場合、消費電力にも注意が必要です。例えば、とあるPoEスイッチの対応電力が100Wで、アクセスポイントの最大消費電力が25Wの場合、4台のアクセスポイントしか使えません。5台目を繋げても給電されません。
ポイントは最大消費電力がPoEスイッチ側で予約される点です。最大電力25Wのスイッチが4台稼働しており、それぞれ15Wしか消費してない場合、消費電力は合計60Wですが、1台あたり25WがPoEスイッチ側で予約されて他には使えないため、やはり5台目を繋げても給電されません。
ワイヤレスコントローラ
アクセスポイントの設定構築に慣れている人なら間違わないと思いますが、アクセスポイントにはワイヤレスコントローラという、アクセスポイントを設定したり制御したりする脳みそのような機能が必要です。
これまでは多くの無線アクセスポイントがその機能を組み込んでいました。例えばCiscoのC9105-EWCといったモデルは、EWC=Embedded Wireless Controller、つまり組み込みで、そのまま使えました。2024年11月にCiscoはこのEWC(C9800系OS)をEoS(End of Sales)としてしまったので調達が難しくなってしまっています。
組み込みでないワイヤレスコントローラはオンプレミス機器(例:Cisco C9800)もありますし、クラウド管理のものも増えています(例:Meraki、Aruba Central)。
無線アクセスポイントを調達する際は、どの機器やサービスがワイヤレスコントローラの役割を担うかを確認する必要があります。
