ITエンジニアが海外に行く方法

時々後輩のエンジニアに「海外に行くためにはどうしたら良いか」と聞かれることがあります。つまり、「ITエンジニアとして、海外で働いて活躍するためにはどうすれば良いか」という質問です。
私はITエンジニアとして複数国で勤務したことがありますが、その経験を振り返って、私なりの答えをご紹介したいと思います。
重要な順番に申し上げると、①技術力があること、②コミュニケーションスキルが高いこと、③臨機応変かつ柔軟に対応できる能力、だと思います。
技術力があること
ITエンジニアとして働く以上技術力がある事は大前提です。企業も日本で働かせるよりも何倍も高い費用をかけてエンジニアを海外派遣するのですから、人並(平均)の技術力ではいけません。とはいっても、年齢や派遣目的にもよりますので一概には言えません。ただ、少なくとも、自信と同じ年次の同僚や先輩、後輩よりも優れているいる必要があります。
また、少しだけ技術力とずれるかも知れませんが、なぜ現地採用をせず日本から派遣させるかという点を考える必要があります。基本的な技術力に加えて、企業の何か、あるいは日本の何かをもって現地ビジネスに融合させるためです。この「何か」を考え、身に付けていく必要があります。
コミュニケーション能力が高いこと
コミュニケーション能力が高いとはどういう状態のことか、人によって定義や考え方が違うので、自身で考えて自身で答えを持っておくことが必要です。
私の思うコミュニケーション能力が高いこととは、最低限のレベルとして、現地の言語は使えることです。私の場合は英語でした。時々「コミュニケーションは気持ちが大事だ。言語は2の次で良い。」という人がいますが、私は完全に反対です。まずは言語が話せてこそ、です。
次に、その言語を使って相手に伝える力が必要です。相手の言語力が低い時にどう伝えるか、相手の技術知識が少ない時にどう伝えるか、相手の技術力は高いが価値観が違うときにどう納得してもらうか、等々、例をあげるとキリがありませんが、どんな状況下でも目的の通り相手に理解してもらうスキルが必要です。
具体的には、言い方を変えてみる、身振り手振りを加える、図にしてみる、視線を変えながら話す、相手の理解度を確認しながら進行する、等です。コミュニケーションを題材にしたコンサル系の本に良く出てくる内容ではありますが、これを現地の言語で行えるかと言うのがポイントです。
臨機応変かつ柔軟に対応できる能力
これはスキルと言うよりは心構えかも知れませんが、国が違えば人々の考え方も違いますし、日本とやり方が違うのは当然です。それに対してどう対応していくかがポイントです。また、その対応に時間を掛け過ぎてもいけませんので、手際よく捌いていく必要があります。
最初に計画したスケジュールに固執し過ぎてしまったり、想定外の事が起こった際の対応に時間を要してしまうのではなく、そういったリスクも予め想定した上で動いていく必要があります。
また、自分なりの仕事方法を確立するのも大切です。私の場合、日本の下積み時代に学んだ開発工程をベースに、案件ごとに各タスクの優先度を決めていきます。そこに海外経験で得た、顕在化リスクの高いものを重点的に監視する等しています。カッコよく言っていますが要は「自分にとっての100点はどんな状態か」を考えた上で、土地や案件の規模や性質に合わせてカスタマイズしていくと言った感じです。