バイリンガルITエンジニアのコミュニケーションテクニック

日本語と英語を話せるITエンジニア(インフラ)として長年仕事をしていますが、よくコミュニケーションのテクニックを聞かれることがあります。今回は私が意識しているコミュニケーションの方法を紹介したいと思います。
パラフレーズ(Paraphrasing)
私がアメリカの大学に留学するために勉強していた語学学校でも、アメリカの大学のESL(English As Second Languateと言う非英語話者向け授業)でもカリキュラムに組み込まれてみましたが、同じことを違う言葉で言うことをパラフレーズと言います。
例えばfor exampleをfor instanceと言ったり、helpをsupportと言ったりします。少しニュアンスが変わってしまう場合はあるものの、発音の関係や、相手の英語力の関係で伝わらない時に重宝します。
また、単語が分からない、忘れてしまった時に別の方法で言えるようになることもかなり役に立ちます。例えばりんごの英語(Apple)をド忘れしてしまった時に、It’s a red fruit and handfull size. There is a technology (iPhone, MAC book) company using the fruit as its logo.等と言えば、Oh, you mean apples?等と相手が答えてくれます。
すべてのオケージョンに対して準備するのは不可能ですが、練習の一環で、「もしこの単語を忘れてしまったら何と言おう」と考えることがとても大切です。
昔読んだとある本の著者は、電車の中で広告の看板が目に入ったら、それを英語で説明する練習を頭の中でしていたそうです。とても良い方法だと思います。このように、ランダムに手に取ったものや目に入ったものをパラフレーズしてみるのも良いかも知れません。
例示・理由付け(Examples & Reasoning)
会話の中でうまく伝わらない時は例を挙げることが大事です。また、発した単語や文章でニュアンスが違った時など、微妙に認識が合わない時や理解をすり合わせる時に例を使うのは非常に大切です。もしくは、理由を添えるようにします。
例えば、交差点を走る車を見てIt’s dangerous.と言ったとします。一緒に歩いている同僚はどう理解するでしょうか。横断歩道を歩いている歩行者が周りを確認せずに横断しようとしたから危険なのでしょうか。交差点に進入する車の運転手がよそ見をしていたのでしょうか。あるいはスピードが出過ぎていたのでしょうか。同じ場所で同じ行動をしていても、同じものを見て同じように感じることは多くありません。
そのような時に、It’s dangerous because the pedestrian was looking at his smartphone and was not aware of the car coming close to him.等と言えば、同僚もちゃんと理解してくれるでしょう。
他にも、It’s dangerous.と言った後に、もし車がもう少し早く来ていたら事故になった、もし歩行者が少し早く歩いていたらぶつかっていた、等、理由や、危険である(事故が起きてしまう)例を挙げることで、認識をすり合わせる事ができます。
定量的な表現(Quantitive)
定量的な、つまり数字を用いた表現は認識のずれを防ぎ、理解をしやすくします。
これは想像しやすいと思いますが、It’s heavy.と言うより、It’s 100kg.と言った方が伝わります。もし10kgなら、人によってはheavyですが、違う人にとってはheavyと言う程では無いでしょう。
必ずしも正確である必要がありません。I think it’s heavy. I don’t know its weight, but I feel like I am holding my 3-year-old kid.等と言えば良いのです。
図示(Illustration)
できるシチュエーションが限られてしまいますが、図を用意することも有効です。
このようなゲームをやったことはないでしょうか。1人代表者が「左上に正方形があって、その右下に三角があって、右上には太陽のようだけど、少し歪んでいて、、、」と言ったことを言葉だけで説明をし、それを聞いている他の人たちが聞いて理解したままの絵を描きます。そうすると、全員同じ説明を聞いていたのに、全員全然違う絵を描きます。
これがビジネスの場だったらどうでしょう。絵(=思っていること)を口で説明せずに、その図を見せれば一発です。正方形の右下にある三角が正三角形なのか二等辺三角形なのか、太陽のような物体がどのように歪んでいるのか、一目瞭然ですし、それは誰から見ても唯一の事実です。
また、図を描く際は出来るだけ具体的な(定量的な)情報(長さや重さ等)を入れることも大事です。
結構世の中には面倒くさがりなのか、この辺を意識できていないのか、図を描かない人が多いと感じます。
表情とジェスチャー(Facial & Gesture)
笑顔は世界共通です。
私自身感情が豊かな方ではなく、よく友達や同僚にポーカーフェイスだの無表情だの言われますが、仕事モード(お客さんの前)ではなるべく表情を豊かに、且つ可能な限りジェスチャーを使うようにしてます。
昔こんなゲームをしたことがあります。1人が絵を見て、それをジェスチャーだけでグループの人に見せます。それを皆であて合うのです。今思えばなかなかにコミュニケーションの基礎を突いているなと思います。
このゲームをやっている時ほど大げさにする必要はありませんが、口で発する言葉を補足するような形でできると良いと思います。
時々話す口調に合わせて、同じ動作を繰り返す人がいますが、(そういう手法もあるので悪くはないですが、)からくり人形かと思ってしまいます。思っていることをより確実に伝えるという観点では、やはり発する言葉を視覚的に補助するような表情やジェスチャが良いと私は思います。
