日本にジョブ型の雇用は広がるのか
新型コロナウイルスの影響でテレワークが一気に広まり、その一方で会社の人事に影響を与えています。テレワークで物理的に見えないところにいる社員をどう評価するのか、これまでと同じ労働時間に対価を払うような給与体系でも良いのか、などです。
たしかに、労働時間に対価を払うスタイルだと不公平が生じるかも知れません。テレワークでもしっかり仕事をする人と、そうでない人とです。
ジョブ型とは
こちらの日経新聞では、「職務内容を明確にした上で最適な人材を充てる欧米型の雇用形態」とあります。ポストやポジションを明確にして、それに適した人材、つまりその仕事ができる人材を割り当てる方法です。
日本はメンバーシップ型と言われる、終身雇用を前提とした、様々なポジションで育てていくようなスタイルが多いですが、異動が多い点と会社が長期目線で育てようとする点が大きく違います。
欧米では転職が多いと言われますが、労働者はステップアップするために次のポストを探さなければなりません。日本のように待っていれば会社が育ててくれるというわけではないため、その点も大きく違うでしょう。
日本での就職事情
私の就職活動といえば、もう10年近く前の話ですが、今もそこそこ変わってないことがあります。
それは(すべての企業とは言いませんが)ある程度、終身雇用を前提とし、学生時代に何を学ぼうと、さほど気にしない雇用制度です。私も政治系の学部卒業ですが、いまやITエンジニアです。
学生にとっては都合が良く、卒業する学部に関係なく、(うまくさえいけば)好きな業界業種職種に就けるのです。
私個人では、それにものすごく救われているのですが、いわゆる欧米型に、それは通用しません。
アメリカにおける就職事情(経験談)
この私も、学生時代をニューヨークで過ごし、アメリカでの就職も目指しました。
アメリカではやはり、前述したようなジョブ型というものが多いらしく、大学を卒業しても、大学で勉強した学部に関係する仕事しかつきにくいという事情でした。
私は政治系の学部でしたが、アメリカに留学している政治系の外国人がアメリカの政治系の職につけるわけもなく、帰国した次第でした。
アメリカでは大学卒であっても、面接の時には「私は大学で〇〇を勉強していたので、御社で〇〇のようなことができます」という話になります。ポスト採用は始まっているのです。
日本の就活事情が一気に変わるとは思いませんが、実力や学生時代の成果に基づく採用活動というのは、それなりに進んでいくのだろうと思います。