またカタカナ。最近のDX(デジタルトランスフォーメーション)って結局なに?
最近良く聞かれるようになったカタカナです。
デジタルトランスフォーメーション、聞いただけでなんとなく意味がわかるような、そんな気がしてしまい、私も少々知ったかぶってました。
ああ、デジタルなトランスフォーメーションね。はいはい。なんか変わるのね、デジタルな感じで。うん。
今回は私自身と読者のために、デジタルトランスフォーメーションについてやんわりとまとめたいと思います。
いきなり余談です。横文字について
日本のみならずですが、外国語化、すなわち横文字にすることにより意味を抽象化させるという特性とリスクがあります。元々の意味で使用する分には問題がありませんが、闇雲に横文字を使うのは意味が通じないことがあります。
2020年3月下旬から4月上旬頃でしょうか、東京都の小池知事が新型コロナウイルスについて記者会見をしました。その時出てきた主な横文字は、パンデミック、ロックダウン、オーバーシュートでしょうか。
パンデミックは学術的な表現でもあり、また前々から世界保健機関(WHO)が警鐘を鳴らしていたように、知っている人は多くなっていたと思います。
一方でロックダウンとオーバーシュートはどうでしょう。漠然と都市封鎖、爆発的感染と訳されますが、それぞれそもそも定義が不十分なだけでなく、現にメディアが日本語訳を併記している時点で、かなり言葉の意味を抽象化しています。
あの知事の会見は都民を闇雲に不安にさせるのが目的であったとすれば大成功でしょう。
少々余談が長くなりましたが、デジタルトランスフォーメーションもある意味、定義がパッとしない横文字の1つではないでしょうか。デジタルトランスフォーメーションもAIと同様に、学術的な(どこかの教授や研究者が定義した)意味と、実際に世の中で使われている意味とがあります。
DXという言葉はどこから?
2004年にスイス人のスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱しました。
そこでは大まかに、ITが浸透することで人々の生活が色々と変化するという概念でした。
たしかにそれは間違い、それはそうなんでしょうけど、いったいどうやって?というのは具体的には示されていません。それ故に、現在の世の中で複数の意味が持たれる理由でしょう。
噛み砕いて説明するDX
日本では、経済産業省が2018年12月にデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)で、デジタルトランスフォーメーションの定義をしています。
簡単に言うと、データやデジタル技術を活用することで、社会や顧客のニーズをベースにサービスや製品を変革させるということです。
DXの例①:ZOZOの躍進
ZOZOTOWNはご存知でしょうか。個性的な元社長で色々と話題になりましたが、この企業こそDXを成し遂げた企業の例として挙げられる会社です。
かつてアパレル業界はEC向け、つまりインターネット通販向けではないとされていました。人によってサイズも好みも違うため、実際に試着したり、記事を触ったりして選ぶことが基本だったためです。
しかしこれをデジタルでトランスフォーメーションしてしまったのがZOZOTOWNです。
- 店頭に行く
- 触る
- 試着する
- 買う
この工程を家でできるようにしてしまったのです。詳細は割愛しますが、家にいながら気に入った服を買える仕組みを構築したのです。
DXの例②:Amazonの映画
私が子供の頃もそうですが、昔は映画を見たくなったらDVDをお店で買うか、TSUTAYAやGEOに行ってDVDを借りる必要がありました。
Amazonだけではありませんが、映画というコンテンツをデータとして配信しています。これも、
- お店に行く
- 映画を選ぶ
- 買う、または借りる
という工程を全て家でできるようにしました。
つまりDXとは?
まとめになりますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、行動や経験、知識やモノをデジタルによって変革させることです。
経験のデジタル化といえばVR(バーチャルリアリティ)が当てはまるかも知れませんね。
私はよく電子書籍を読みますが、これも紙の書籍をデジタル化したコンテンツとして読んでいるので、DXと呼べるかも知れません。
私の意見ですが、ITというものが現れてからずっとDXを繰り返してきたのだと思います。手紙がメールになったり、もっと言うとアナログのものがどんどんデジタルになっています。
それを踏まえて、最近のDXとは、ここ数年で劇的に進化しているモノやサービスの考え方とネットワークやサーバ、ストレージといったIT基盤によって、もっと沢山色んなことができるよ!といった概念ということなのでしょう。現に最初に提唱されたのは2004年です。15年以上も前です。
また余談ですが
IT業界というのは既存のテクノロジーを名前を変えて売り出すということが多々あります。
例えばクラウドという言葉も、ここ数年で注目を浴びて有名になりましたが、クラウドを構成するテクノロジーはもっと前からあります。
今話題のAI(人工知能)だって既に第3回目のブームです。ここ数年で始まったものではありません。
日々新しい言葉が生まれていますが、特にITに関しては、どんなシステムやテクノロジーが使われたサービスなのか理解することが大切だなと思いました。
そうすると「それはすごい!」や「なんだ結局は同じじゃん」と本質を捉えていけるのではないでしょうか。